“シニアの皆さん もっと幸せになろう“
- 「ええ!! 一番じゃないの?」
- 日本人の長寿は世界に冠たるものがあり、健康保険も介護保険も整っている。若い人達からはシニアを支えるために割を食っているとの批判の声が上がるほど優遇されている。こんなに恵まれたシニア生活が他にあるだろうか。
- 恵まれた生活を仮に幸福度とすれば、そのような比較を行っているものを見つけた。イギリスのAge Co社の「高齢者に住みよい国ランキング」調査結果(2020)では日本は19位に、the Global AgeWatch Index(2015)*では調査国数が若干異なるが8位であった。
- 上位にランクされたのはほとんどが北西のヨーロッパ諸国であるが日本がこんな位置とは理解できない。
- *ヘルプエイジ・インターナショナルの調査(高齢者の生活環境を調査する国際NPO団体)
- 「どこがいけないの?」
- 評価の物差しをAge Co社の例に検分してみよう。まず期待寿命が来る。日本は香港に次いでの長寿国。次いで健康管理は台湾、韓国に次いで第3位。治安はデンマークと並んで第5位。その他の指標となると、幸福指数は全世代へのアンケートを交えた世界幸福度レポートで評価され、50位前後に落ち込み、総合順位を引き下げた。さらに生活費の高いことも効いているようだ。日本人全体の幸福度が低いのは、①困った時に助けてくれる身近な存在がいない、②人生の選択肢の自由がない、③寄付を進んでやることをしないなどが原因とされている。シニア層にも当てはまるように思える。
- 「なんでこうなったの?気づかなかった」
- 幸福度レポートは毎年報告されており、2012年の日本は44位だったが、2022年には54位まで下降した。外聞やランキングを気にするとかではなく、自ら主体的に取り組むべき課題を見出す一助とすべきである。問題は突発的に起こることもあるが、じわじわと蝕んでいくのを見過ごすことが多い。ゆでガエルはいずれ死を迎える。特に、シニアの生活には人生100年という新しい事態への対応策が遅れている。人は一年に一歳しか年を取らず時間はゆっくりと進むように思っている。ある日突然孤立している己を自覚する。
- 「もっと幸せになれる」
- 幸福度を阻害する要因は、社会参加、高齢者教育、就労機会に課題があり、孤立に悩む状況と判断される。幸福感の高い北欧の諸国では高齢者のコミュニティ参加で不安を除去し生きがいを高めている。我々は一気にすべてを解くことはできなくても、個人で、仲間で、公的支援で出来ることは多い。このためにASOはいくつかの試みに挑戦している。社会貢献、仲間の形成、新しい課題への取り組み、苦しみを忘れる時間の共有、就労での小遣い稼ぎ、デジタル活用によるコミュニティ形成、学びあう場の設営、報酬をいただける機会の開拓など広く深くすすめている。これらは長いシニア時代を今に妥協せずつまりゆでガエルとならずに、積極的に幸福なシニア時代を築こうとする挑戦である。ランキングの結果はついてくるはずである。
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